総務省が行った「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計/令和6年4月30日公表)」によると、日本全国で約900万戸、総住宅数の13.8%にあたる空き家が存在することが明らかになっています。その数は年々増加しており、倒壊や衛生状態の悪化に加え、不法侵入や窃盗、放火などの犯罪の発生が懸念されています。これにより、近隣地域の治安を脅かす深刻な問題へと発展しています。特に長期間人の出入りがない空き家は、不法侵入のリスクが高まりますが、その原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
不法侵入されやすい空き家とは
不法侵入者は、空き家が所有者によって適切に管理されているかを確認しています。定期的に所有者が訪れる空き家は狙われにくいですが、人の出入りが全くない空き家はターゲットとなりやすいです。
では、不法侵入者はどのようにして「人の出入りの有無」を判断しているのでしょうか?例えば、庭木の手入れがされておらず、敷地の外へ枝が伸びていたり、背の高い雑草が生い茂っていたりする空き家は、長期間人の出入りがないと判断されがちです。また、侵入時に身を隠しやすい環境も不法侵入者にとって好都合です。さらに、ポストにチラシが溜まり外へあふれ出ている空き家も、長期間人の出入りがないと思われて狙われやすくなります。
不法侵入によるトラブル
空き家における最も懸念される問題の一つが、不法侵入者による「住み着き」や空き巣による「盗難」です。不法侵入者は自由に家財道具を使ったり、破壊行為を行ったり、生活ゴミを放置したりすることがあります。また、タバコの火の不始末による火災が発生し、近隣住民に被害が及べば、多額の賠償を請求される可能性もあります。
さらに、空き家が監禁などの重大な犯罪の舞台として利用されることもあります。このようなトラブルが表面化すると「いわく付き」物件となり、売却しようとしても買い手がつかず、思うような価格で売却できなくなる恐れがあります。
空き家への不法侵入を防ぐには
空き家への不法侵入を防ぐためには、空き家の管理を徹底し、人が住んでいるように見せることが重要です。定期的に鍵を開けて内部を確認し、不法侵入の形跡がないかチェックすることはもちろん、庭木を整え、花壇に花を植えることで、侵入者に狙われにくくなります。
また、空き家の管理と併せて、周辺の見回りを行い、不審者が徘徊していないか確認することも有効です。さらに、管理者が定期的に訪れていることを示す管理看板の設置も効果的です。このように「いつ人が来るかわからない」といった状態を保つことで、不法侵入を防ぐことができます。
もし、所有者が高齢で定期的な管理が難しい場合や、遠方に住んでいて頻繁に訪れることができない場合は、空き家管理専門の業者に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか?