空き家が増加する中、国土交通省や地方自治体では、地域活性化や住まいの確保を目的として、空き家の活用を促進するための補助制度を提供しています。これには、空き家の買収、改修、撤去（除却）費用の一部を補助する制度が含まれます。ここでは、各自治体が設けている撤去費用の補助制度と、国土交通省が行う「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」について紹介します。
各自治体が設けている住宅の撤去費用の補助制度
多くの自治体では、「景観を守る」や「災害に強い街を作る」といった目的のため、老朽化した木造住宅などを解体撤去する際の費用の一部を補助しています。以下はその一部です
1. 大津市
- 制度名: 空き家解体支援事業
- 補助内容: 老朽化した空き家を解体する場合、解体費用の一部を補助します。
- 補助額: 最大で100万円程度の補助が受けられる場合があります。
- 要件: 補助対象となる空き家は、市の定める条件を満たしている必要があります。
2. 草津市
- 制度名: 老朽空き家解体補助金
- 補助内容: 老朽化が進み、危険と判断された空き家の解体費用を一部補助します。
- 補助額: 解体費用の20%〜50%程度が補助されることがあります。
- 要件: 市内に所在し、一定の条件を満たす空き家が対象。
3. 長浜市
- 制度名: 空き家解体等補助金
- 補助内容: 空き家の解体や撤去、さらにはその跡地の整備に関する費用を補助。
- 補助額: 最大50万円程度。
- 要件: 申請前に市の調査を受けることが必要で、一定の条件を満たす場合に補助が受けられます。
4. 彦根市
- 制度名: 空き家等対策事業補助金
- 補助内容: 危険な空き家を解体する際にかかる費用を補助。
- 補助額: 解体費用の一部（具体的な金額は年度によって異なります）。
- 要件: 空き家が一定の条件を満たす必要があり、補助には申請が必要です。
5. 甲賀市
- 制度名: 老朽空き家解体補助制度
- 補助内容: 老朽化した空き家を解体する際の費用を補助します。
- 補助額: 解体費用の20%〜50%程度を補助。
- 要件: 補助金を受けるためには、空き家が特定の基準に合致していることが求められます。
これらの補助制度を利用することで、空き家を解体し、その跡地を有効に活用することが可能です。助成を受けるにはいくつかの要件を満たす必要があるため、各自治体のホームページで詳細を確認することをお勧めします。
住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業
国土交通省が実施する「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」は、空き家となっている民間の賃貸住宅を、住まいの確保に悩む高齢者や障害者、母子や父子世帯などの入居を条件として活用するための補助制度です。リフォームや省エネルギー改修工事、環境整備にかかる費用を軽減するための補助が受けられます。
対象物件には、戸建て住宅や事務所が含まれますが、床面積、設備、耐震性、バリアフリー性などの一定の要件を満たす必要があります。また、この事業は特定の地域でのみ実施されるため、利用可能かどうかは事前に確認する必要があります。
空き家活用の重要性
空き家を放置すると、老朽化が進み住居としての価値が低下するだけでなく、地域の治安や景観にも悪影響を与えます。紹介した補助制度を活用することで、地域活性化や住まいの確保に貢献する空き家の有効活用が可能です。管理や維持費の負担に悩む空き家を所有している場合、これらの制度を利用することを検討してみてはいかがでしょうか。