少子高齢化や核家族化の影響により、全国各地で所有者不在のまま放置されている空き家が急増しています。高齢になった所有者が介護施設に入所したり、所有者が亡くなった後に相続人が管理を放棄したりするケースが見られます。また、固定資産税の負担を懸念し、再利用の予定のない空き家をそのまま放置する例もあります。特に管理状態が悪い空き家は、放火やゴミの不法投棄といったトラブルを招きやすいため、どのような理由であれ、空き家を放置せず適切に管理する必要があります。
空き家の劣化が早い主な原因
空き家の適切な管理の重要性が叫ばれている中、放置することでどのようなトラブルが生じるのでしょうか?
トラブル1:放火
放置された空き家は放火のリスクが高まります。敷地内にゴミが散乱し雑草が繁殖すると、火が燃え広がりやすく大火災に発展する恐れがあります。また、コンセントにホコリがたまることで電気系統を原因とした火災も少なくありません。これらは、空き家の周辺住民にとって大きな不安要素です。
トラブル2:ゴミの不法投棄
人の出入りがない空き家はゴミの不法投棄の対象になりやすいです。空き缶や古雑誌だけでなく、家電製品や家具、自転車、布団なども投げ捨てられることがあります。一度投棄されると、同じようにゴミを捨てる人が続き、問題が深刻化します。
トラブル3:不法侵入や住み着き
空き家に人が住んでいないと判断されると、不法侵入者が住み着くリスクが高まります。見知らぬ人が空き家を自分の家のように利用するケースも少なくありません。また、犬や猫、ネズミなどの小動物が住み着き、糞が散乱して臭いが充満し、建物の劣化が進むと同時に周辺住民にも迷惑がかかります。
トラブル4:地震や突風による家の倒壊
空き家は一般の住宅よりも早く老朽化が進むため、大きな地震や突風によって外壁の一部が剥がれたり、アンテナ類が倒れたりする危険性があります。台風で屋根瓦が飛ばされると、周辺の住宅に被害を及ぼす恐れもあるため、空き家でも定期的なメンテナンスが必要です。
トラブル5:景観の悪化
隣に廃墟のような空き家があると、住民の気分が悪くなります。放火や犯罪のリスクが常に付きまとい、安心して生活できなくなるかもしれません。また、不法投棄されたゴミが山積みになり悪臭が漂うと、地域全体のイメージが悪化します。
まとめ
空き家を長期間放置すると、これらのトラブルが発生する可能性があります。そうなれば空き家の所有者だけでなく、周辺住民にも悪影響を及ぼします。そのため、所有者は空き家を適切に管理するか、専門業者に依頼して適切な状態を保つことが大切です。